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本記事は、森永卓郎著『新NISAという名の洗脳』の書評です。
本書は、昨今政府が進めている「貯蓄から投資」の政策が、SNS型投資詐欺とそっくりだという衝撃の内容から始まります。この詐欺にひっかからないように新NISAを始めようと考えている方に、投資のリスクが教えてくれるでしょう。
本書は、投資を始める前に読んでおきたい一冊となります。
こんな方におすすめ!
こんなお悩みを抱えている方にぜひ読んでもらいたい1冊です。

今流行りの投資は、みんな始めているけど常に利益が出るのかな?

何の株を買えばよいかわからない。
みんな買っている米国株に投資すればよいの?

投資は分散投資しておけば大丈夫でしょ!

リスクを知ったうえで投資を始める・始めないを決めれば良いでしょう。
今回はリスク側のお話となります。
私が本書を手にするきっかけは、投資を始めるうえでの知識習得をする中で投資リスクを知りたいと思いました。投資のリスクを「新NISAという名の洗脳」とタイトルで表したところに驚きと興味を持ち読み始めました。投資は高リスクであることを著者である森永卓郎氏の視線から教えてくれます。
お金を増やす・お金を守るうえで必要なことを教えてくれる一冊になります
ぜひ読んで見てください。
内容紹介

本書の内容紹介の前に、投資はどのようなイメージがあるでしょうか?
長期積立投資、分散投資をすれば元本割れすることはない
米国株を買っておけば大丈夫
これから投資を始める多くの方はこんなイメージが強いかもしれません。
私はそう思っていました。
本書を読むことで投資のリスクを知り、投資について考えるきっかけになればと思います。
それでは本の紹介に移ります。
本の構成
本書は4章で構成されたものとなります。
第一章 否定される6つの投資神話
第二章 否定される6つのライフスタイル神話
第三章 豊かな老後を築くマネー戦略
第四章 豊かな老後を築くライフスタイル
今回は代表して第一章 否定される6つの投資神話 について説明します。
内容紹介 【否定される6つの投資神話】
多くの投資評論家及びメディアが展開している老後生活に関する議論では、6つの投資神話の内容が含まれているが、著者森永卓郎氏はこれらはすべてウソだと否定している。
ここでいう、6つの投資神話は以下のとおり。
- 年金の不足は投資で補う
- 分散投資でリスクは回避できる
- 長期積立投資で利回りは預金を上回る
- 国内よりも成長性の高い米国株に投資すべし
- 専門家に任せておけば投資はほったらかしでよい
- 株価が下がったときこそ投資のチャンス
この中から代表して「分散投資でリスクは回避できる」の内容を紹介します。
分散投資でリスクは回避できる
投資を勧める方がよく口にする言葉があります。
「株式投資は値下がりのリスクを伴うが、分散投資をしておけば、リスクを低減できる」
引用:新NISAという名の洗脳P19
この別の言い方として、卵を1つのかごに入れると、かごを落とした際に、すべての卵が割れてしますが、複数のかごに入れることで、1つのかごを落としても他の卵を守ることが出来るなど、耳にすることがあると思います。
これと同様で、投資でも、1つの株式に投資するのではなく、複数の株式に投資をすることで、値下がりする株がある一方で、値上げする株があるためリスクが軽減できるものとなっております。
ここで補足となりますが、複数の株式というのは、代表例では、国単位(日本・米国・全世界等)、業種単位(自動車系・IT系・銀行株・飲食系等)に分けることが出来ます。
このような背景から近年では、インデックスファンドの全世界株式(オールカントリー)が人気となっております。
しかし、本書はこの内容について、異論を唱えています。
バブルが崩壊するときには、株価は一斉に下がる。
引用:新NISAという名の洗脳P21
そもそも私たちが目にする、日経平均株価は225銘柄の平均株価である。これだけ分散がされていれば暴落などの変動は抑えることはできると思われるが、著者は現実には大暴落が起きるといわれている。
その理由は、バブルの発生要因にあります。
ここからバブルと、その発生要因について簡単に説明します。
バブルとは
バブルについて、代表的な話となるチューリップバブルを例としてあげます。

概要としては、1630年代にオランダでチューリップの球根が投機の対象となりました。
背景として、偶然発生した突然変異により美しい模様の入った花が咲くことがあり、希少性が高いことから、当初は鑑賞用植物としてお金持ちの間で流行し、高価で取引されるようになりました。
高価に取引されており、次第にオランダ中で球根1個で巨額の富を掴む可能性があることが広がり、転売して一儲けすることを企む一般市民が多く買い求めたことで、チューリップの価格が常識的には考えられない価格まで高騰しました。
チャールズ・マッケイが1841年に出版した『狂気とバブル-なぜ人は集団になると愚行に走るのか』によると、球根1個と12エーカー(4万9000平方メートル)の土地が、交換されたという。
引用:新NISAという名の洗脳P35
最終的には異常な価格となったことで新たな買い手が見つからず、価格は急激に下落し、バブルが崩壊したものとなります。
チューリップの球根1個で広大な土地と交換するなんて考えられませんよね。
本書では、このことについて以下のとおり記載しております。
最下層民までが「チューリップ、チューリップ」とわめきたて、夢中になっている状況では、誰もそんなことには気づかない。のちにチューリップ狂と呼ばれるこの事件は、オランダ人全体を巻き込んだ集団的な狂気(陶酔的狂気)だったのだ。
引用:引用:新NISAという名の洗脳P35
以上がチューリップバブルの概要となります。
バブル発生要因
本書では、バブル発生要因について以下のとおり記載しております。

株式を買った人が儲かったのをみて、自分も同じご利益にあずかろうと、素人がどんどん参入してきて、株価を吊り上げる。根拠のない「陶酔的熱狂」が発生する。彼らは企業の業績など一切みない。
引用:引用:新NISAという名の洗脳P21

いったん株価が下がり始めるとパニックに陥り、別の株式に乗り換えようとする。ただ、そのときのニーズは、とにかく早く逃れたいというだけだから、企業の業績とは無関係にすべての株に売りが集中する。
引用:引用:新NISAという名の洗脳P21
バブルの時には、素人が参入することで、不動産、原油、暗号資産などの、あらゆる投資可能資産が一斉に値上がりする「エブリシング・バブル」が生じるが、バブル崩壊時には、売りに集中するため、これと真逆のことがより鮮明に発生する。
あらゆる投資可能資産が一斉に値下がりする。
米国株についての異論など、続きが気になる方はぜひ本書を読んで見てください。
本書を読み終えた感想
私は投資を始める前に本書を読みました。近年は投資を勧める方が多いため、本書で書かれてあるリスクを目の当たりにすることが衝撃的であった反面、より投資について勉強するきっかけになりました。
本書から学んだこと、感想について紹介します。
感想 現在の投資ブームについて

本書を読むことで、個人的な意見として、現在の投資ブームは、まさにバブルの出来事のように感じました。理由として2024年に新NISAが始まったことで、投資をしたことのない素人がどんどん参入し、とりあえず人気のある銘柄(SP500,全世界株式(オールカントリー))を買い求めることで、価格を吊り上げている状況とリンクするものがありました。
本書では「今すぐ投資から手を引け」と言われてますが、個人的な意見として投資は必要と考えます。
インフレによる物価高に対し、現金ではお金の価値が下がるため、投資を行う目的を明確にした中で、投資期間、余剰資金を考えながら各々で考え投資することが必要と思います。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございました。
本書を読むことで投資のリスクを知ることが出来ますが、だからと言って投資をやめるのではなく、他にもたくさんの知識を身に着けた中で判断し、試行錯誤していくことが必要と思います。
投資を始める前にぜひ読んで見てください!
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